大規模造成盛り土を考える その3
不動産屋や住宅会社でも大規模造成盛り土を気にしている人は少ない、と前回書きました。
そして、おそらく一般的な消費者も気にしていません。なぜなら土地の価格に盛り土であることが反映されていないから。カッパの知るかぎり土地の価格は客観的条件を反映しています。路線価や公示地価を基準に、面積、駅やバス停からの距離、高低差、接道幅、道路幅、日当たり、周辺迷惑施設の有無、その他心理的瑕疵といったものが影響して価格決定されます。しかし、同じような住宅地内で盛り土かどうかで値段に差があるところはありませんでした。つまり消費者の需要が大規模造成盛り土にはないことの現れです。
以上のような考察を経て、カッパ家は大規模造成盛り土を避けて土地を買うことを至上命題としました。
カッパが大規模造成盛り土を意識したのは偶然です。ある地元工務店が建築条件付きで売り出していた土地を買いかけていたときに、たまたま嫁カッパが「ここ大規模造成盛り土にかかってるよ!」と教えてくれました。カッパは「え?何それ?地盤改良高くなるの?」というくらいの反応でした。でもよくよく調べてみると、上記のようなことがわかった次第です。嫁カッパもたまたま住宅地のことを調べているときにどこかのネット記事で見つけたとのことでした。
調べたら出てくる、でもみんな知らない、そんな程度のものではないでしょうか。カッパとしてはこれから土地を探す方に少しでも大規模造成盛り土のことを考えていただきたいと思い、このような内容を書きました。
実はカッパは仕事の関係で震災後数週間の熊本県益城町で活動しました。その時の経験から、家の耐震性はマストと思っていましたが、大規模造成盛り土には気がつきませんでした。
おそらく直下型の大地震の直撃を受けたらどんな家でも無傷ではすみません。でも盛り土を避けることで滑動崩落に巻き込まれることは避けられます。これがカッパの出した現時点のベストアンサーです。
大規模造成盛り土は避ける。
これを読まれた方の中には、他人の不安あおってんじゃねーよと思われた方もいるかもしれません。
でも他人事じゃないんです。実はカッパの実家はガッツリと大規模造成盛り土に建っています。両親にも盛り土の危険性を伝えたことはありますが、だからといって実家を手放して今すぐ引っ越せとは言えません。両親としても自分は大丈夫と思い込むしかないでしょう。S社施工の鋼管杭と鉄骨ユニットを信じて祈るだけです。
大規模造成盛り土についての参考URL
国土交通省通知
http://www.mlit.go.jp/report/press/toshi06_hh_000026.html
国土交通省HP
http://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_tobou_fr_000004.html
全国のマップ作成状況
http://www.mlit.go.jp/toshi/web/toshi_tobou_tk_000025.html
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